アルタモント・パスの風力発電風車
アメリカ西海岸の旅第2日は、ヨセミテ国立公園の観光ですが、その途中、いくつかの景色が楽しめました。
サンフランシスコの中心地から専用バスに乗り、580号線で東方へ約60kmぼど行くと、核弾頭の開発で名を知られたローレンス・リバモア国立研究所(前身はカルフョルニア大学放射線研究所)が所在するリバモア( Livermore ) に着きます。
そのリバモアを通過すると間もなく茶色く枯れた草に被われたなだらかな丘陵が見えて来ました。よく見ると、その丘の上には沢山の風車が並んでいました。ガイドさんの説明によると、この地域はアルタモント・パス(Altamont Pass)と呼ばれているところで、丘陵地帯は冬季(12~2月)は風が弱いが、夏季(5~9月)は平均して6~14m/sec程度の風速があるという。発電はこの風を利用して1970年代ころから風力発電施設(ウインド・ファーム)が建設され、現在およそ8000基近くの風車が設置されているという。
↑ アルタモント・パスの風車(風力発電施設/ウインド・ファーム) ( 写 2009/09/26)
風という天然資源を利用しているため、公害汚染物質を排出せずに発電するので環境保全という観点からは、この風力発電は優れた施設と言えます。しかし、最近、野鳥とくに猛禽類がこの施設に衝突して死傷する例が少なからずあるということが明らかになってから、その対策を、建設の可否を含めて、如何にするかが大きな問題となっています。このため、風力発電施設の建設に際しては、発電効率の工学的追求ばかりに落ち入ることなく、周辺の自然生態環境に対しても気を配り、慎重な配慮をする必要があることが示唆されます。
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コメント
こんばんは!
アメリカ西海岸の旅に行かれたのですか。うらやましいです。
広大な土地に八千基もの風車が立ち並ぶ様は壮観なものでしょうね。
風力発電はすごくエコなエネルギーだと思っていたのですが、問題もあるとは意外でした。
今、調べてみたら、日本でも、風車への野鳥の衝突死は問題になっていたのですね。貴重なオジロワシ、イヌワシなどが被害にあっているようです。建設のための森林伐採、騒音や低周波による健康被害などいろいろあるとは知りませんでした。自然にやさしいものを作り出すことは大変なことですね。
投稿: ジュリジュリ | 2009/10/06 21:44
ジュリジュリ さん、お早うございます
菜園の夏の収穫が終わり、冬野菜の準備が一段落し、庭の草花の水やりも峠を越したので、水を欲しがる草木の一部を腰水にして、秋の旅行に出かけました。
合衆国の西海岸のみでしたが、山あり、海あり、砂漠ありの広大なアメリカ大陸の自然を満喫して帰りました。
アメリカのお土産話、もう少し続きますので、また、お覗きくだされば幸甚です。
投稿: ぴょんぴょん | 2009/10/07 08:57
風力発電、日本とはスケールが違いますね。
青空に風車が映えて見事です。
投稿: mico | 2009/10/07 08:59
すごいですね、8千もの風車が並ぶ光景はちょっと異様、でもエコのためには受け入れないといけないのですね。
野鳥への被害は前から気になっていました。
なんとか 鳥たちに知らせる方法はないものでしょうか。
窓ガラスならステッカーも貼れますけれど・・・。
投稿: zucca | 2009/10/07 21:36
mico さん、お早うございます。
無公害で再使用可能な天然資源を利用して発電するので大きな利点があり、オバマ大統領も合衆国全発電量の20%をまかなう発電量にするとの目標で推進を進めていますが、石炭発電業界からの批判もあり、問題がないわけではないようです。
投稿: ぴょんぴょん | 2009/10/13 09:39
おはようございます。
8000期の風車は凄い迫力でしょうね。
スケールの大きさに驚きました。
投稿: mico | 2009/10/13 09:39
zucca さん、お早うございます。
砂漠の真ん中の、鳥もいないようなところでは、土地の有効利用もかねて’一石二鳥’ですが、日本ではどうでしょうか。設置場所の事前のアセスメントが大事になってきますね。
投稿: ぴょんぴょん | 2009/10/13 09:47
出張帰国後、教科書で使われている地図帳を見ていたところ、本アルタモント・パス風力発電所が載っているでは有りませんか!驚きました。あの様な発電所が70年代から稼働していたとは、改めて米国の力を思い知らされました。
投稿: tkoba | 2011/05/26 16:15