ホトトギス(最終回)
蓼科・霧ヶ峰鳥見行最終回です。前回はウグイスの画像を掲載しましたが、そのウグイスがいた草原に接したカラマツ林からホトトギスの鳴き声が聞こえてきました。
ホトトギスの鳴き声を聞くまでは気が付かなかったのですが、ホトトギスはウグイスの巣に托卵することを思い出しました。気をつけて見ると、ホトトギスはカラマツ林の梢に止まり、ウグイスが営巣している丘の草原の方を注意深く伺い、時には丘の方に飛んで行ったりしてウグイスの巣を狙っているように見えました。
↑ カラマツの梢に止まったホトトギス(撮影 2014/06/17 霧ヶ峰高原)。
↑ 美声を張りあげて鳴きました。何かの合図をしているのでしょうが、私には判りません。
↑ 今まで、鳴き声はよく聞くことはあったが、この高原で間近に会えるとは思ってもいませんでした。思わぬプレゼントを頂だき、大感激でした。
「ホトトギスはカッコウより小さく、腹面の黒い縞がカッコウより疎らな点で異なる(中村登流著「野鳥の図鑑」②」)が、形態だけでは判別が難しいです。やはり鳴き声が判別の決め手になります。
↑ 「ホトトギス」の名は、「キョッキョ、キョキョキョ」を「ホットホトギ」と聞き、鳥を意味する接尾語「ス」がついて「ホトトギス」になった(安部直哉/解説・叶内拓哉/写真「野鳥の名前」)という。
↑ ホトトギスの漢字名は、日本では古くから詩歌・文学の題材とされてきたためでしょうか、20種を越す漢字表記や異名があります。
↑ 正しい漢字名は「杜鵑(とけん)」で、これを「ほととぎす」と訓読みして使われていますが、難しい漢字なので「不如帰」と書いて、「ほととぎす」と読ませる異名の方が良く使われています。
↑ ホホトギスの鳴き声は、カッコウ(郭公)の鳴き声に比べると少々複雑で、言語による表現が、聞く人や時代によって微妙に違っています。
平安時代(「江讃抄)には「ホトトギス」と聞きなしたようですが、江戸時代(古今要覧稿)になると「ホンゾンカケタカ(本尊掛けたか)」とか「テッペンカケタカ(天辺掛けたか)」などと聞きなされた。
そして、現在、広く知られている聞きなしは「トッキョキョカキョク(特許許可局):出典は不明、中西悟堂氏が知友某氏から聞いたという「聞きなし」です。
さらば 霧ヶ峰高原よ !
また、来年来たいと思っています。
Adios altiplano Kirigamine !
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これで、「蓼科・霧ヶ峰の鳥見旅記」を終わります。皆様、長い間お付き合い下さり有難うございました。今回の鳥見行ではガイドのNさんに大変お世話になりました。厚く御礼いたします。また、同行の鳥友さんとは3日間、終始和やかに、かつ楽しく鳥見の旅ができましたことを感謝いたします。
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コメント
はじめまして、miki53です。いつもポチっとやいいねでお世話になっています。
こちらも楽しく拝見しています。
今回の「ホトトギス」、私のブログで「夜鳴き鳥」として書いたものですから、コメントを残したくなりました。
どうも、毎年鳴き声は聞いていたと思うのですが、今年になって急に夜中まで鳴いている声が気になり、調べてみたら「ホトトギス」でした。
いまだに、日中はウグイスとホトトギスの共演が聞かれます(^。^)。
こんなにはっきりと姿をとらえたことが無かったので、1枚1枚じっくり見せていただきました。結構つぶらな可愛い目をしているのですね。
「托卵」すると聞いていたので、どんな憎ったらしい顔をしているのかと思っていたのですが・・・(^_^;)
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: Mikiko | 2014/06/29 21:06
Mikiko さん、御来訪&コメント有難うございます。
ブログ、いつも感服しながら読ませていただいております。
ホトトギスは、夜中でも、明け方でも大きな声で鳴くので、気がつく人がは沢山おられるようですね。
でも、私を含めて、その姿を実際に見ることは少ないですね。私も、遠くで見たことは何度かありましたが、今回のように数十メートルの近さで見たのは初めてでした。
カッコウと同じく、”托卵”という、不思議な習性を、どうして持つようになったのでしょうか、私には謎が多い野鳥の一つです。
投稿: ぴょんぴょん | 2014/06/30 19:59