オオヒシクイの塒入り:北帰行が始まりました:稲敷の野鳥5(2017/02/18)
冬鳥の北帰行の時期が近づいてきました。オオヒシクイも帰ってしまわないうちに元気な姿を見ておこうと思い、稲敷・稲波干拓に出かけてみました。
2月18日 前回(2月12日)稲敷を訪れて野鳥観察をしたとき、稲波(いなみ)拓地で地元の鳥類保護団体「稲敷雁の郷友の会」が観察小屋を建てて、2名の会員の方が交代でオオヒシクイの長期観察をして記録をとり、来訪者に対して説明・案内などもしておられることを知り、再度、訪れてみました。
稲波干拓に渡来したオオヒシクイは、昨年の暮れから、この干拓地を塒にして毎晩泊まり、朝起きて、干拓の落穂や二番穂などを採食するが、そのあとは全数が霞ガ浦の方向に飛び立って、日中は鹿島灘沖の海上で過ごしているとのことです。
このため、稲波干拓地では昼間はオオヒシクイの姿は見られないとのことでした。観察小屋の監視員さんのお話では、日によって多少時刻は前後するが、日の入りの頃(午後4時頃)には干拓地に戻って来るので見られるでしょうということなのでで、その時間まで待つことにしました。
↑ 2月18日16時18分 稲敷・稲波干拓の夕暮れ。この日は終日曇りでした。
15時52分、北東方向より横一線で干拓に向かうオオヒシクイの群れを観察小屋の監視員が発見し、「群れが来た」と声を上げました。 その方向を視ましたが、私の肉眼視では全く認識できませんでした。
↑ 16時22分14秒 干拓地上を秩序ある編隊を組んで飛行するオオヒシクイの群れ。
↑ オオヒシクイの飛来数:画像を拡大して何羽飛んでいるのか数えてみ見ました。
全部で127羽確認できました。黄丸の中の赤数字は確認したオオヒシクイの羽数。
↑ 「稲敷雁の郷友の会」の発表では131羽が越冬中とのことですので、4羽ほど、別行動をとって塒入りしているのかと思われました(あるいは画像判別での数え漏れがあったかもしれません)。翌日、には131羽いたそうです。
↑ オオヒシクイの編隊は、干拓地の上空を右へ、左へと旋回しました。
↑ 北帰行の練習でもしているのでしょうか、きれいな雁行編隊を組んで飛んでいました。
↑ 編隊の列は、細くなったり、広がったり、そのシルエットは私にとっては一幅の夢の絵画でした。
↑ 干拓地内に戻ってきたオオヒシクイの群れは、高度を下げながら干拓内を周回して着陸点を探し始めたが、まだ日が明るく農作業が行われていたためか、何回か周回し、16時24分に着地しました。
しかし、落ち着かないのか、もう一度干拓地を飛び出して、最終的に16時50分頃 ほぼ全数が干拓地に着地しました。
オオイシクイの飛び出し準備(2017/02/19)
↑ 2月19日7時16分 昨日干拓田に降りたオオハクチョウの群れのこのグループの一部はまだ寝ているのか、頭だけしか見えない個体もいます。
↑ こちらは朝食(落穂・二番穂)を食べて、くつろいでいるかのように見えました。
↑ 少し離れた場所のオオヒシクイのグループは飛び出しの準備が始まったようです。
↑ 一斉に北東の方向に向いて首を上げました。この後、7時17分に全数が飛び出し、霞ケ浦の方向に消えました。
注1:「稲敷雁の郷友の会」のHPの記事によると、この日のオオヒシクイの群れは7時42分に鹿島灘海上に出て、着水し、12時04分現在では、着水点から沖に約2km、南方方向に約3km流され、さらに流され続けていたという。そして19日は、17時20分まで待ったが、オオヒシクイの群れの稲波干拓への戻りはなかったという。
注2:「稲敷雁の郷友の会」のHPの記事によると2017年3月2日現在のオオヒシクイの越冬数は32羽です。99羽は北帰したようです。ちなみに2016年3月2日現在の越冬数は2羽でした。
謝辞:現地稲波干拓地の観察小屋の観察員の方には、オオヒシクイの現況の様子や観察時の諸注意など、親切なご説明およびご助言をいただき、その上お茶菓子などのごちそうにもあずかり厚く感謝いたします。また「稲敷雁の郷友の会」会員の方に、宿泊ホテルまで案内して頂いたりして有難うございました。地理に不慣れなため大変たすかりました。厚く御礼申しあげます。
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