北八ヶ岳山麓の山荘に泊まり、夕方、宿の2階の部屋の窓からふと裏庭を眺めたら、思いもかけない奇妙な動物が目にとまりました。
一見、犬のように見えたが、そうではありません。直感的に脳裏にひらめいたのはタヌキですが、通常見られるタヌキとは大きく変わっていました。
このタヌキと見られる動物は、身体は僅かに茶毛が混じった、白毛と黒毛で被われていたが、顔の大部分は白毛で被われおり、ちょっと犬の顔のように見えました。
翌日、山荘のオーナーに聞いたっところ、白変種(リューシテイック)のタヌキで、昨年の夏突然姿を見せ、今年もちょくちょく姿を現わしているという。
このタヌキは瞳孔が黒いので全身真っ白な白色個体(白子、アルビノ)とは違う白変種(リューシテイック)のタヌキと見られます。

↑ 山荘の裏庭に現れたタヌキ。瞳孔は黒い(撮影 2013/07/23)。

↑ 顔面および胸部は白い。胸もとの膨らみは乳房でしょうか。
もしそうなら、雌のタヌキかもしれません。

↑ 顔立ちは一見、犬のように見えます。

↑ 行動は緩慢です。ちょっと立ち止まってあたりの様子をうかがいます。
耳の外縁、右頬と左後脚が黒毛で被われている。

↑ 右側面: 背中と腹部は白毛と黒毛で被われて灰色に見えるが、僅かに茶毛が混じっているのも認められる。

↑ 右頬が黒い。足の皮膚は大部分は白いが黒い部分もある。
これらの特徴は個体識別の手掛かりとなるでしょう。

↑ 左側面: 左の頬には黒い斑はないが、左後脚の上部は黒く、左前脚の上部裏側も黒い。

↑ 「色素の減少により、体毛・羽毛・皮膚などが白くなった動物の個体」を「白変種(リューシスティック、leucistic)」と呼んでいます。このタヌキ(タヌキ)も、画像に見られる特色から「白変種」かと思われます。
一方「メラニンに係る遺伝情報の欠損により白化した動物」は「アルビノ(albino:白化個体あるいは白子「シロコ」)と呼ばれています。
「アルビノ(白化個体あるいは白子)と「白変種(リューシスティック)」は、区別が紛らわしいが、アルビノの個体は瞳孔が赤く透けるおに対して白変種の個体は瞳孔が黒いということで判別できます。